アスファルトは、道路の舗装などに欠かせない素材ですが、処分する際は産業廃棄物として扱わなければなりません。産業廃棄物には、法律で直接定められた6種類と政令で定められた14種類の計20種類の区分がありますが、アスファルトは「がれき類」に分類されます。産業廃棄物の「がれき類」は、「工作物の新築、改築又は除去に伴って生じたコンクリートの破片その他これに類する不要物」のことで、コンクリート破片・レンガ破片・ブロック破片・石類・瓦破片などが含まれます。どのようなものが工作物に該当するのかは具体的に明記されていませんが、基本的には道路や建物などの人の手で作られて設置されたものと捉えて差し支えありません。
アスファルトとコンクリートは違う!
アスファルトとコンクリートを混同している方も多いかと思いますが、これらは原料や特徴に違いがあります。前者は、ガソリンや軽油などの燃料を生成した際に発生した残留物を原料としており、黒褐色もしくは黒色の固体・半固体の物質です。常温では固体ですが、高温になると液状になるという特徴があります。また、砂利を混ぜたものはアスファルト合材と呼ばれており、つなぎ目が少なく静音性が高いというメリットがあるため、主に道路の舗装に使用されています。さらに、安価に施工できるとともに、排水性や透水性を高めるように舗装できるのも特徴です。しかし、耐久性は低く、耐熱性が低いというデメリットがあります。加えて、デザイン性が乏しく、色を変えることができないといった理由から、一般家庭の舗装に使われるケースは非常に稀です。ちなみに、産業廃棄物として処分された使用済みのアスファルトは、リサイクル工場に運び込まれた後、重機で混合物が除去されます。その後は、粉砕されるとともに粒度調整が行われて、再びアスファルト合材の材料として使われています。
コンクリートとの違いとは?
一方のコンクリートは、セメントに砂や水を混ぜて固めた物質のことを指します。セメントとは、焼却した石灰石や粘土などの物質を粉砕した粉末状の物質です。コンクリートは非常に強固ではありますが、曲がりに弱いという特性があるので、施工する際はワイヤーメッシュや鉄筋を用いるのが一般的です。施工単価が高いとともに、追加工事が難しく、騒音が発生しやすいという側面はありますが、耐久性が高いのでメンテナンス頻度を抑えることができます。加えて、耐熱性が高いという特徴もあるので、夏場の気温上昇やヒートアイランド現象を抑えてくれるというメリットもあります。
アスファルトの処分は専門業者に!
また、産業廃棄物を処分する際は専門の業者に依頼する必要があります。現在は、産業廃棄物の処理を行っている業者は数多くありますが、業者選定は慎重に行わなければなりません。産業廃棄物の「がれき類」はリサイクル率が非常に高いものの、重量があるため長距離輸送には向いていないという特徴があります。そのため、中には不法投棄を行ったり、不適切な方法で処理する業者も少なからず存在しています。
不法投棄の罰則は重い
産業廃棄物の不法投棄や不適切な処理は、廃棄物処理法で禁じられており、発覚した場合は懲役刑や罰金刑が科されることになりますが、罰則を受けるのは業者側だけではありません。処理を依頼した側も、5年以下の懲役または1,000万円以下の罰金、もしくは両方の罰則が科される恐れがあります。「悪質な業者であることを知らなかった」という言い分は通用しないので、「がれき類」を処分する際は信頼できる処理業者を選ぶことが大切です。
アスファルトの処分業者の選び方
なお、産業廃棄物の処理を依頼する業者を選ぶ際は、「産業廃棄物収集運搬許可」または「産業廃棄物処分業許可」を取得しているか必ずチェックしましょう。この許可を取得している業者であれば、適切な方法で処理してくれるので、安心して依頼することが可能です。この許可を取得している業者は、インターネットで検索すれば簡単に調べることができるので、業者を選定する際は必ず調べておくことが大切です。
アスファルト(がれき類)の相場とは?
また、「アスファルト」の処分を依頼する際の費用相場は、1kgあたり30~80円、1㎥あたり3,000~12,000円が目安です。ただし、産業廃棄物の処理費用は処理業者によって異なるので、依頼する際は相見積もりを取ることをおすすめします。産業廃棄物の処理業者には、得意な分野と不得意な分野があり、得意な分野の処理は費用が安くなります。相見積もりを行えば、「がれき類」の処理が得意な業者を選定することができるので、依頼費用を抑えることが可能です。また、複数種類の産業廃棄物が混ざっている状態で依頼すると、その中で最も高い種類の産業廃棄物をベースに金額が算出されてしまいます。そのため、他の産業廃棄物も排出される現場においては、分別して保管しておくことが大切です。分別された状態で処理業者に依頼することで、コストを大幅に抑えられる可能性があります。分別にかかる手間や時間がネックという場合は、リサイクル可能なものだけでも分類しておくことをおすすめします。